こんにちは
色彩コーディネーターのsakumaです。
デザイン系の学校などに通われている方は学校経由で受験の応募が可能だったりして、先生からも案内されたりすることがあると思いますが、
「私色彩検定の勉強してるんです」というと、大抵以下のような問いが返ってきます。
「色彩検定って何かの資格?」
「どんな内容?色のセンスが問われる試験なの?」
「結構難しいの?」
などなど。
そこで、色彩検定の概要についてこちらにまとめておこうと思います。
色彩検定とは
公益社団法人色彩検定協会(略称:A.F.T)が実施する色彩に関する知識を問う検定試験。
3級から1級までがあり、夏季(6月頃)と冬季(11月頃)の年に2回開催されますが、1級は冬季のみ受験可能。
また1級は、知識を問う問題でマークシート回答メインの1次試験と、与えられたヒントを元にカラーカードを切り貼りして配色を行う実技メインの2次試験があります。
色に関する知識を深める為の検定試験なので、何か特定の職業につく為の試験ではありません。(英検や漢検と似たようなもの)
ですが合格すると色彩検定協会から「色彩コーディネーター」の称号を与えられ、資格証が授与されます。
どんな内容の試験?合格にはセンスが必要?
よく、「センスがないと難しいんじゃない?」といったことを問われますが、これに関しては”センスは関係ありません”。
先ほども言った通り「色の知識に関する試験」なので、勉強すれば誰でも合格できるものではあります。
試験なので当然回答には正解不正解があります。
これを個人のセンスに任せるような問いにしてしまうと合否をつけるのも難しくなってしまいますよね。
なので、みなさんが初見で思い浮かべるよりもずっとロジカルな試験だと思っていただいて構わないと思います。
センスというよりもむしろ、理科や社会のテストと同じように暗記の部分も多いですね。
試験の難易度はどのくらい?
色相環の種類や配色のルール、色の名前など覚えることは結構ありますが、興味を持って取り組めれば、3級・2級はそれほど難しい内容はないかと思います。
公式ページでも2017年度の受験者数と合格率が掲載されていました。
1級 | 2級 | 3級 | |
志願者数 | 1,689人 | 11,182人 | 25,227人 |
合格率 | 35.6% | 64.9% | 73.6% |
2級までは合格率も5割を超えていますね。
1級はそれまでに比べて範囲も広く、覚えることがかなり増えます。
また、配色カードと呼ばれる色見本帳の色とJIS慣用色名(色の名前)を一致させておく必要もあります。
また、2次試験は一つの問題の配点が大きく、1問目を間違えると後ろに続く2問目、3問目も芋づる式で不正解になってしまうような問題もあることと、
問題集などもあまり出回っておらず、対策が立てにくいというのも1級合格が難しい理由の一つかもしれません。
色彩検定を受けるメリット
どんな試験かを大まかに説明したところで、取得するメリットについて考えてみました。
履歴書の資格欄に書ける
まずはこれですね。
持っているから何ということではないのですが、必置資格ではないからこそ、資格勉強をして1級を取得した、という事実は
「専門知識を持っている」
「スキルアップをする意識がある」
「コツコツ勉強に励むことができる」
などの好印象を与えることにも繋がります。
説得力がある配色が可能になる
これはデザインのお仕事をしている方には特に必要かと思います。
自分がデザインしたものをお客さんに見せた時に、選んだ色がクライアントの好みとぴったり一致すればそれでオッケーがもらえるかもしれません。
ですが、「どうしてこの色にしたの?」と聞かれた時に、
「オシャレだから」
「今流行っている色なので」
「今回のイメージに合っていると思って」
などと曖昧な回答では説得力がなく、場合によっては「他の配色もみたい」となり、なかなか決定しないなんてことにもなりかねません。
色の持つ意味、与える心理的な影響、イメージなどを明確に相手に伝えられれば、納得していただける確率も数段あがります。
日常生活での色選びに役立つ
デザインの仕事をしていないから、私には関係ない。
と、いう方もいらっしゃるかと思いますが、
ファッション、インテリア、普段持ち歩いている小物類に至るまで、私たちの周りは色に溢れています。
近年のブームに乗っかってSNS映えを重視するのであれば、色選びはもはや必須項目です。
どんな色の服を着て、何色の背景で写真に写ると映えるのか、とか
「部屋おしゃれー!」って言われたいけど、どんな色の家具にしたら居心地がよくておしゃれな部屋にできるのか、
などなど、実は結構応用ができます。
受験しないにしても、配色について学んでおくのはいいかと思います。
色彩検定取得のメリットについて考えてみました。
これから受験を考えているみなさんの参考になれば幸いです。